第二話目です(最初から読む)。
「五星戦隊ダイレンジャー」という名称を道士が考えて付けたのだとしたら面白いですよね。
龍星王の内部に唐突に入るリュウレンジャー。
手を当てると静電気で光の線ができる球体が設置されています。子供の頃はこの球体にワクワクしたんだよなあ。
龍星王が変化して人型の姿になります。これでロボットではなく生物という設定が驚きです。
でも気伝獣が生き物だというのはファンタスティックだし、感情移入ができてよかったと思います。
細かいところですが、紐男爵のマントの端が水平ではなく微妙に斜めになっているところがオシャレで格好いいです。紐男爵のデザインは「紐男爵」という名称の不気味さ、そして男爵としての美意識が混ざっていてとても好きです。怪人の中では一番好きです(まだ全部観返していないので塗り替わる可能性ありますが)。
またダースベ○イダー風の音楽が。これだけでも耳を疑うのに、後々の展開ではさらに目を疑うものまで出てくるのです……!(だがそこがいい)
激しい戦いの後、大風車斬りでとどめをさします。「あったあったこういうの」と懐かしく技を眺めました。
紐男爵撃破。ここまで5分足らずです。
そして、唐突に頭陀袋を担いで歩くザイドスさんのカットに。ため息をついて面倒くさそうです。何の意図でこんな細かい演技をつけているのでしょうか(笑)。初期のころの三幹部を観ていると、どういうキャラクター性で行く気でいたのかが気になります。ガラがトランクなのに対して、頭陀袋というところが面白いです。
頭陀袋から放り出される次の怪人。そんな、投げ捨てるように出さなくても。
飛び出した後の目のアップがリアルで怖いです。今回に限らず、ゴーマの目に関する演出はやたらとリアルで不気味なものとなっています。このリアルな、しかし人間とは違う目玉をどう撮影していたのか気になります。
「ひゃひゃひゃひゃ、出たぞ出ました、ガマグチ法師〜!」
面倒くさそうなザイドスさんとは裏腹に、やたらとハイテンションで飛び回るガマグチ法師。一目でヤバい人(怪人)なのがわかります。
おそらく紐男爵の仕事を引き継ぐために呼ばれたのでしょう。
場面は変わり、ボクシングの稽古をしている将児となります。
応援する少年・健坊(あだ名)。由美ちゃんと同じく、一話限りの登場です。初期のダイレンジャーは使い捨てキャラが多いです。
健坊は、応援の途中で路上バスケしている集団に見とれます。その中で華麗なダンクシュートを決める青年。
「スラムダンク!」
……聞き間違いかな。
飛んで行ったボールを追いかけて人気のないところに出る健坊。そこに現れるさっきの青年。
「君にはもう帰る家もない」
怖すぎる。
そして、ボールが恵比寿(大黒? 布袋?)顔の頭部に変化。健坊にそれを投げつけるっ。
「スラムダンク!」
やめなさい。やめなさい。
スラムダンクされると、頭に恵比寿がはまって取れなくなります。
健坊の叫び声を聞きやってくる将児。健坊を抱えて走り去るバスケ選手を見ます。
触手で人さらいする紐男爵も怖かったですが、DQN風のバスケ選手が子供を抱えて走る姿も異質で怖さがあります。
選手は消え、代わりに現れたガマグチ法師と転身したテンマレンジャーでバトルとなります。「どうだ、参ったか」このフレーズ好きですね、ゴーマ怪人さん方。
バトルの末、重力を操る必殺技を破られて倒れるテンマレンジャー。
「アディオス」(ガマグチ法師)
どうでもいいですが背景の「りつこ大好き」「りつこけんじ」「愛してる」などの落書きが気になります。りつこって誰だよ(笑)。
仕事中の亮、和、釣り中の大五のところにオーラチェンジャーで連絡が入ります。大五だけ釣り、しかもフードをかぶって怪しすぎるいでたちなのが面白いです。それにしても仕事中でも呼び出しがかかったら行かないといけないのだからヒーローは大変です。道士は日当を払うべきではないだろうか。
ゴーマがまた現れたことを告げる道士・カク。ゴーマは復活を祝う儀式「ニードロブードロ」のために、穢れを知らない5人のいけにえを集めようとしているそうです。このために紐男爵も子供をさらっていたのですね。彼の趣味ではなかったのか。紐男爵さん、ロリショタコンの汚名を払拭しました。
道士がゴーマの文化にやたらと詳しいのも、後々を考えると納得できますね。
道士・カクは将児だけを呼び止めます。そして、先ほどのバトルの様子をテレビに映します。
い、いつ撮影していたんですか、道士ぃ! 映像を見せながら解説する様子が非常にシュールです。
そしてガマグチ法師に必殺技が破れた理由を説明。特訓をします。
出動する亮やリンたちを発見、無線で報告するコットポトロ。
「ママの作ったピンクのハンバーグ。ピンクのハンバーグ」
暗号がグロテスクです。そしてやたらいい声です(笑)。
場面転換、下校中の小学生。「こんな子いるいる」という雰囲気で面白かったです。
そして現れるバスケ選手。
「君はもう家に帰れない」
いちいち宣告するのが怖いです。そしてまたスラムダンク。恵比寿頭にした子供を抱えて走る相手をリンが追いかけます。そして彼女もさらわれることに。リン、一方的に穢れなき認定されました。
将児はコットポトロ・ザイドス・ガラ・シャダムが乗った車を発見します(コットポトロが運転、助手席にザイドス、後ろにガラ&シャダムという並びがリアルです)。車の窓が半分開いていて中が見えたので気づいたのでした。
それを察したガラに、「閉めろ」と言われて面倒そうに瞬きで返すシャダム。だらしない座り方だし、所作がチンピラのようにしか見えません(笑)。
でもきっちり次のシーンでは窓を閉めています。
というかそもそもなぜ窓を開けていたんだ? シャダムは車酔いでもしていたのか? やたらだるそうなうえ窓閉めるのいやそうだったし。だらしない座り方含めて、そう考えるのが一番自然な気がする。
車移動に走って追いつく将児すごすぎます。車は港で大型フェリーに乗り込んでいきます。
「みんなと連絡が取れるまでそこを動くな」(道士)
「了解!」(将児)
めっちゃ真顔と真面目な声で返事したのに次のシーンでは一人で潜入している将児。
シャダムのほうがまだ素直だよ! 彼の問題行動に対して特に何のツッコミもなく話が展開するのがダイレンジャーの恐ろしいところです。でもまあ不良で熱血な将児らしくていいなと思います。
ゴーマの人たちは、フェリーの中で何やら準備をしています。自前のフェリーというところが悪の組織っぽくてそそります。
だだっ広く何もない武骨な船内に、豪奢なテーブル・椅子・花などが並べられている様も世紀末感があってイイです。
このころはシャダムよりガラが中心に立つことが多いんですよね。かと言えば戦闘になるとシャダムが中心にきたり。コットポトロは男性が多そうですから、士気を上げる意味でもゴーマ美人のガラを演説時はシンボルにする戦略なのかもしれません。
会場に恵比寿頭の子供たち&リンが連れて来られます。言いなりに動いていて、どうやら洗脳されているようです。
ゴーマの象徴的な謎の巨大な球体が外に集まってきます。なんだかわかりませんが、都市部に異質物が浮かんでいる様子がシュールレアリズムの絵画みたいで好きです。
そして始まるニードロブードロ。
ザイドス、これが初台詞です。ザイドスの「ニードロブードロ」に合わせてコットポトロたちも「ニードロブードロ!」と叫びます。コットポトロ、見た目が怪人なのに人間の声ではっきりしゃべるのが面白いです。
「聞け。聞け!」
一回無視されるシャダムさん。
「賢くもわれらがゴーマはこの地上に快楽の園を作ることを望んでおられる」(シャダム)
「生贄をささげよ」(ガラ)
そして何とも妖しい死神衣装で鎌を持った人物が登場! アイスホッケーのマスク。ジェイソンかよっ。絶対、その辺のホームセンターで見繕ってきた衣装だろ。本当はニードロブードロ面倒だな〜とか思ってたんだろ。
リンがピンチになったところで、将児が参上。儀式は中断となります。
死神、誰かと思ったらガマグチ法師、お前だったのか。
「ぐあああ、生かして帰すなー!」
シャダムさんの切れっぷりがツボにはまります。確かに儀式はめちゃくちゃになったけど、それにしたって切れすぎだろ。幹部級とは思えない小物感を出してくるスタイル、嫌いじゃないです。
部下が苦戦しているとなると退避させて自ら戦闘に出る三幹部、上司の鑑ですね。
そうこうしているうちに他のダイレンジャーも到着します。それを見てさっさとその場から消える三幹部。引き際がしっかりしているところもゴーマの魅力です。
ガマグチ法師も、「逃げろ!」と指示してコットポトロたちと一緒に姿を消します。情けなく見えますが、不利と見るや退散して部下の無駄死にを避けるあたりは評価していいと思います。
しかし、ダイレンジャーは逃がしません。
それぞれが技を使い追いつめます。中でも、シシレンジャー(大五)の「霧隠れ」は異常です。霧がかかった後、電車の幻がひき殺してきます。
「総武線!」
総武線! じゃないよ!!
おかしいやろ!
大五は間違いなく鉄道マニア。
先の闘いではガマグチ法師の技に破れたテンマレンジャー(将児)。道士の教えを思い出し、技を受けるのではなくよけることで回避します。そして必殺技。
「天重星、回転蹴り!」
「天重星、回転蹴りとは、目にも止まらない速さで敵を攻撃する必殺技だ」(ナレーション)
説明になってないよ!
「巨大化爆弾……」
巨大化許されません(尺の問題です)。
「アディオス!」
やられるときの辞世の一言に敵の美意識を感じます。そんなところもゴーマ怪人のいいところです。
ラストは微妙に将児ととリンがいい感じ。でもこの後発展することはないという残酷な現実!
リンがたまに中国語でしゃべるところが可愛いです。最後の「謝謝(しぇいしぇい)」の言い方がよかったです。
そしてラストのナレーションはべたべたで面白いです。
本当は5話くらいまとめた記事にしたいのですが、また長くなってしまいました。それだけ触れたい部分が多いということでしょうね。さすがダイレンジャーです。
ゴーマの怪人はツッコミどころが多いですが、ガマグチ法師はその中でも群を抜いています。まず、なぜガマグチなのに恵比寿の頭を使うのか。あれをかぶったら洗脳状態になるのがどうガマグチと関係するのか。さらにはなぜ人間体がバスケ選手なのか。ガマグチとどう関係があるのか!? と。ちぐはぐな設定で強烈な印象を残す怪人でした。