第五話です(最初から読む)。
普段は大学に通っている様子のリンちゃん。
リンと友達になりたいという恵さんからホウオウの髪留めをもらいます。「ニーハオ」と相手の文化に合わせて挨拶する恵さん、よい人だとそれだけでわかります。
そんな恵さんにリンは困惑気味です。
(どうしよう。ダイレンジャーで忙しいから、友達になれないなんて言えないし)
_人人人人人人人人人人人人人_
_> ダイレンジャーで忙しい
<_
Y^Y^Y^Y^Y^Y^YY^Y ^Y^Y ^Y^Y
何かを察した恵さん、自分の距離なし気質を謝り、その場を去ろうとします。
ダイレンジャーの活動のために姪っ子が友達を作る機会を失ったこと、道士的にはどう思う!?
そこに唐突に現れる亮。
「亮。どうしてここへ?」
「あのなぁ、元町辺りの洒落た店案内してくれって呼び出したのそっちだろうが」
友達を作る時間はないが、亮にお店を紹介してもらう時間はあるのか。
まあ仕事仲間と仲良くなることと、新たに友達を作ることではハードルが違うとは思うのですが。忙しいことへの理解もしてもらえるし。
しかし、先週の二人で雑誌を読んでいたのも併せて、ちゃっかりしているように見えてしまう(笑)。
そのとき、大学内にゴーマ怪人・口紅歌姫が現れます。いきなり怪人の姿です。口紅歌姫は本編の中では人間体の出てこなかった怪人です(映画では出てきます)。
妖艶な声とかなりきわどいハイレグの熟した色気の怪人です(?)。
唇型のソードを振り上げて恵さんを追いかけます。つかまえると「お化粧」と言って唇に紫色のルージュを塗ります。
騒ぎに気付いた亮とリンが現場に駆け付けると、コットポトロが現れます。なんと全員、燕尾服で指揮棒を持っています。
上司の趣味に合わせてコスプレしてくれるコットポトロさんたちまじ有能。一家に一小隊欲しいコットポトロ。
「演奏用意」(コットポトロ)
「ジャジャジャジャーン♪ ジャジャジャジャーン♪」(コットポトロたち)
「攻撃!」(口紅歌姫)
コットポトロ、指揮棒の先から火薬を出して爆撃してきます。
亮は気力転身します。リンもしようとしますが、コットポトロに襲われて失敗してしまいます。リンを助けようとしたリュウレンジャー(亮)は、隙を突かれてピンチに追い込まれます。
そこにほかの三人も到着。
しかし口紅歌姫は強いです。口から「歌」を出し攻撃、ダイレンジャーを5人とも吹っ飛ばします。
転身が遅れたことに責任を感じたホウオウレンジャー(リン)は、一人特攻します。
返り討ちに遭い、吹っ飛んだリンをテンマレンジャー(将児)が助け起こします。
「ばか野郎、何で一人で突っ走ったんだ」(将児)
なんとなく将児はリンが好きそうに見えますね(笑)。
その時、口紅歌姫の叫び声が。彼女はコットポトロが持ってきた鏡を見て絶叫しています。鏡をわざわざ用意するコットポトロさん、けなげです。おびえた感じで顔をそらしているのが芸が細かくてグッドです。
口紅歌姫の顔には、ホウオウレンジャーの投げたダイレンロッドによって傷ができていたのです。
口紅歌姫は、鏡ごとコットポトロを殴り飛ばし、巨大化爆弾を取り出します。蜘蛛の子を散らすように離れていくコットポトロが面白いです。
巨大化する口紅歌姫。その姿が画面から離れていき、なんと、テレビ画面に。そのテレビは道士・カクのいる本部にあるテレビでした。そ、そうか、道士は気力を千里眼のように使い映像をテレビに映し出していたのか……! 毎回こっそり現場に行って撮影しているわけじゃなかったのか……!
リュウレンジャーは龍星王を呼びつけます。どうでもいいですが、龍星王の背中の足場は、乗るときはそろっているのに、次の場面では足の位置が変わっているのが気になります。足場が動く仕様なのだろうか。
気伝武人に変化して闘おうとしますが、リュウレンジャーは先の闘いで食らった傷が痛みだし、動けなくなります。
どうやら気伝武人は、あの球体から気力を送り込むことで本人と一体化して闘う、エヴァンゲリオンのようなシステムみたいですね。
「ハハハどうした龍星王。今更謝ったって、許さないからね」(口紅歌姫)
個人的に、「謝っても許さない」というのは宣告の中でも究極に恐ろしい部類のものだと思います。これを言われたら、相手の気が済むまで絶対に許してもらう方法がないわけで、もうアウトです。
口紅歌姫は、「悪魔聖歌隊」を呼びつけます。それは恵さんや、そのほかのルージュを塗られて操られた女性たちでした。悪魔聖歌隊の歌声は耳をつんざき、戦闘不能にされる強力なものです。
戦闘を視察するのに三幹部が現れました。毎回現場に足を運ぶ感心な上司たちです。しかも妖力を飛ばして、龍星王を倒す手伝いまでします。上司にため口が許されるし、積極的にサポートしてもらえるし、怪人クラスにとってはゴーマってけっこうホワイト企業な気がします。コットポトロの場合は、口紅歌姫のようなパワハラ上司に当たったら辛い日々になりそうですが。
この辺から、センター・シャダムで決まったように思います。
龍星王が妖力の攻撃を受けると、なぜか本部にいた道士・カクが吹っ飛びます。その後、再び座禅を組み直し気力を集中する道士。
激しい戦いの結果、気伝武人と口紅歌姫は引き分けとなります。口紅歌姫は「覚えてらっしゃい」と言い残して退散します。
ボロボロに傷ついた龍星王は、どこかへ飛び去ってしまいます。可哀想。
ダイレンジャーが本部に戻ると、汗だくの道士が倒れ込んでいました。衝撃的な姿です。
「私の気力だけでは、龍星王を支えることができなかった」
龍星王は、ダイレンジャーだけの気力ではなく、道士の気力も合わせることで闘いをこなしてきたのでした。道士、陰でバックアップしていただなんて……本当に、何で何も教えてくれないんですかぁっ。
道士が一人で戦わず、5人の仲間を集めたのもこのためなのかもしれません。
「龍星王を意のままに操るには、莫大な気力が必要なんだ」
「意のままに操る」というのが、ゴジラのTプロジェクトみたいで少し怖いです。でも気伝獣は自分の意志でダイ族のところに現れたんだもんなあ。それが使命とわかっているのかもしれません。
ピンチに陥っていることに対して、「私のせいよ」とリンは自分を責めます。
本部から出て行く5人。しかし、亮はリンに「お前は残るんだ」と言います。リンの精神状態を慮ってのことなのですが、リンは納得できません。今度は将児からも「お前は冷静じゃない。しばらく俺たちに任せろ」と言われてしまいます。リンを置いて走り去るとき、大五が振り返るのが意味深です。大五は相手に感情移入しがちな性格なので、気になってしまうのでしょう。
一人残されたリンは、感情を爆発させます。林の中で手当たり次第に周りの物を気力で壊す! その肩を叩き、制する者が。大五でした。
「やめろ。鳥たちが怯えている」
クール、クールだよ大五……! さすがは動物を愛する男です。
「笑ってくれよ、リン。俺、お前にいつも笑っていて欲しいんだ」
そう言い残し、走り去る大五。
え、何? 今の。
大五、お前もか、と言いたいところですが、天然ナイスガイの彼のことですから、深い意味はないのでしょう。純粋に男前発言なのでしょう。
そしてリンは、おかしな幻を見るようになります。五色の輝く玉が飛んできたり、遺跡にワープしたり、巨大な鳥の影を見たり……いよいよ自分の精神状態を疑うようになってしまいました。
一方の口紅歌姫、どこかのビルの屋上で、コットポトロに再び鏡を持たせています。
「許せないわ、私の顔に傷をつけて!」
怒りに任せて、コットポトロの股間を蹴り飛ばします。出たよ、パワハラ女上司……!
そんな口紅歌姫を「熱くなるな」と諭すガラさま。立派です。ガラだからこそ言える台詞。
「お前には、ルージュを塗った女たちを使って、人間どもに地獄の苦しみを与えるという目的があるはずだ」(ガラ)
「いやよ。リンを倒さない限り、気が収まらない。んんーーー!!」(口紅歌姫)
とんでもなく問題のある部下です。
「どうした。リン」
本部で待っていたリンに、道士が声をかけます。この場面の道士の態度は、「道士・カク」ではなく姪っ子に対する叔父という優しさに満ちていて素敵です。
夢の内容を聴いた道士、急に真剣になります。「それはもしかしたら天宝来来の玉かもしれん」と。ついに出ました、「天宝来来の玉」。我が家にまだ赤と緑だけ残っている天宝来来の玉! 子供のロマン!
龍星王以外の4体の気伝獣も生きている可能性があると道士は考えます。
そこに「口紅歌姫が現れた」と連絡が入ります。
現場に駆け付けるリン。しかし、闘いのさなか、リンはまたも幻を見てしまうのです。地面に膝をつくリン。
そこに現れるゴーマ三幹部(また視察に来ていたのか!)。
苦しむリンを見て、怪訝な顔をするシャダム。
とどめを刺されそうになった瞬間、リンが姿を消します。
シャダム、何かを悟ります。
「いったん退却だ」(シャダム)
「なぜだ!?」(ザイドス)
出たー、ザイドスのため口出たー!
「いいから引け!」
道士だけじゃない、シャダムも質問に答えないタイプの上司だった……。
シャダムは迫力があってすごいなと思います。役者さんはこのころ20代後半だったというのだから驚きです。このキャラらしい30代中盤くらいの貫禄や迫力、あとまだ落ち着き切っていない感じがしっかり出ています(老けているということではなくオーラがある)。
シャダム30代前半〜中盤、ガラ20代後半〜30代前半、ザイドス年齢不詳という感じで勝手に設定して見ています。
「中国だ。リンは中国に飛ばされたんだ」(道士)
「リンは中国にいる。一体なぜなのか」(ナレーション)
ナレーション面白すぎて笑いが止まりません。当たり前に状況を説明しているだけなのになぜこんなに面白いのか。
舞台は中国へと飛んでいき、次回へ続きます。