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クロックロの日記 


『本格科学冒険漫画 20世紀少年』〜考察〜

1999〜2006年連載(日本)

著作、浦沢直樹

 ※ネタバレ含む

 

 ケンヂは失踪した姉の娘を育てながらうだつの上がらない生活をしていた。そこに刑事が訪ねてくる。お得意先の失踪、小学時代の友だちの死、それらにかかわる「ともだち」と名乗る男を中心とする宗教団体……。「ともだち」の使うマークはケンヂが小学時代、秘密基地の仲間たちと使っていたマークだった。そして当時ケンヂが書いた「よげんの書」のとおりに事件が起こっていく。「ともだち」の正体を突き止めるため、世界の平和を守るためにケンヂは再び秘密基地の仲間たちと集う。

 

 終わり方はちょっと投げっぱなしなところがあるとは思いましたが、途中とても面白かったので、読んでよかった! と思います。
「ともだち」はカツマタくん。これは途中でわかりました。少年時代、何度も名前が出てくるのに、大人になってから詳細が語られない人物。コンチとカツマタに絞込み、コンチは顔的に(ひどい……)違うだろうと判断し、カツマタくんだという結論に達したので。
「何でかわからないけど死んじゃった」…… この表現からして、おそらく、カツマタくんはイジメにでも遭い、途中から不登校になった。この時代、不登校なんて言葉はなかっただろうし、突然来なくなったもんだから、子供たちの間では死んでしまったという噂が流れたのだと。でも、実は生きていたと。また、フクベエが自分の顔を見ながら、「君はカツマタくん?」という発言があったことから、同一人物だったんじゃ……(服部カツマタという名前)なんて説も考えましたが、これは違いましたね。
 しかし、カツマタくんだとわかっても、いったいなぜそうなるのかの説明が一切されなかったのは、ちょっと残念でした。私が知りたかったのは、「ダレ」ではなく「ナゼ」 なのです。こういうやり方は無責任な感じもします。「時どきあるんですよ。人気のなくなった漫画が謎を山積にしたまま打ち切りになっちゃう場合が」という台詞は、もしかしてちょっとしたブラックジョークなのかと。フクベエについてもほとんど語られていないし……。
 しかたがないので、ネットの意見なども読みながら、自分なりにフクベエやカツマタくんの境遇について考えてみました。

 カツマタくんはフクベエの年子の弟。で、四年生までは一緒に暮らしていたけれど、五年の夏前には、両親は離婚し、別々に引き取られることになった。母親はカツマタくんだけを連れて出て行った。フクベエには母親に捨てられたという気持ちがあったのかもしれない。そのことが、彼の虚無感や認められたいという気持ちに繋がったのでは。
 フクベエに山根くんとサダキヨ以外の友達が見当たらないのは、両親にいい噂がなかったからというのもあったのではないか。昔は、どんなに家が裕福でも家庭環境に問題がある子は爪弾きにされると聞いたことがある。あるいはプライドの高いフクベエ自身が壁を作っていたのかもしれない。

〜四年生のとき〜
 ケンヂたちと仲良くなりたくて、漫画を貸したり家に呼んだりしたけれど、仲間に入れてもらえない。秘密基地で隣町のいじめられっこサダキヨを友達にしてやったのは、フクベエ自身が寂しかったからだろう。
 文集に万博のことを書いた時点で、おそらくまだ離婚の話は出ていない。だから、万博に行けると思っていた。
 その後、山根くんを絶交してしまう。躊躇なく彼を絶交したのは、サダキヨがいるから孤独にはならないと思ったのだろう。弟のカツマタだっているし。
 だが、状況は一変する。

〜五年生のとき〜
 サダキヨが隣町から転校してくる。
 サダキヨの回想で、この年に秘密基地でフクベエと出会ったかのような表現がとられていたが、これは引っ掛けだ。なぜなら、フクベエ視点では69年だと明記されているから。70年、秘密基地で出会ったのは、サダキヨとカツマタだったのではないか。基地を覗いたお面をつけた少年がカツマタ、中にいたフクベエっぽい少年が実はサダキヨ。サダキヨにしてはふてぶてしい感じだったが、作者の罠だと考えたほうがいい。こう考えないと、矛盾が解けないから。後にカツマタとサダキヨはやたらと仲がよさそうだったが、この時に知り合っていたからだろう。
 万博の年。 夏休み、フクベエはやたらと機嫌が悪かった。相手がサダキヨだからかもしれないけど、それにしたってツンケンしていた。おそらく、フクベエにとって、万博に行けない以上に辛い出来事があったのではないかと思う。
 すなわち、両親が離婚した。弟のカツマタがいなくなった。それに伴い、万博にも行けなくなった。
あるいは、フクベエの家に鏡台があったことから、離婚したのはもっと前で、その後再婚したのかもしれない。
 とにかく、万博どころじゃない家庭環境になってしまった。
 カツマタくんがお面を被り始めた時期だが、これは離婚と関係なく、前から被っていたと思われる。元々カツマタくんはいじめられっ子で、友達がおらず、お兄ちゃんしか頼る相手がいなかった。だが、フクベエにしてみれば、学年が違うとはいえ、自分と瓜二つのいじめられっ子の弟がいるなんて恥ずかしい。しかも、自分に付きまとってくる。仕方がないので、弟とわからないようにお面の着用を義務付ける代わりに、お守りをしてあげていた(この辺は優しいね)。
 しかし、フクベエはうまくごまかしたつもりかも知れないが、子供たちには、お面の少年(カツマタ)がフクベエの弟と言うのはわりと知られていたのではないだろうか。少なくとも、ケンヂは知っていた。
 首吊り坂で声をかけた相手。 ケンヂは、きっとお面の少年をサダキヨではなく、カツマタだと思ったのだろう。だから、お面の下から出てきた顔がフクベエでも、「本当そっくりな兄弟だよな〜」くらいの感覚で、気にしなかったのだろう。それが、フクベエには自分の存在を無視されたように感じられた。ま、ほかの子供たちは本当に無関心だったんだろうけど(だいたい、一年も前に書いた文集の内容、覚えている方がおかしいって)。
 両親は離婚するし、山根くんは絶交してるし、カツマタはいなくなるし、万博にはいけないし、首吊り坂では誰も自分に気づかず、さらにテルテル坊主を大笑いされる。きっとこの夏休みはフクベエにとってあまりにも過酷で、抹消したい最悪の夏だったことだろう。これが、1970年の嘘につながった。「たかが万博に行けなくなったくらいが、そんなに重大な嘘かよ」と思ったが、こう考えると、フクベエが必死に隠したがる気持ちもわかる。
 さらに、サダキヨは自分に何も言わないまま転校してしまう。夏休み中、ずっと一緒にいたのに! せっかく友達にしてやったのに! 裏切られた気分になったことだろう。
 それにしてもサダキヨは可哀想だ。転校する前の夏休み。最後の思い出として、フクベエと二人で万博に行けることを本当に楽しみにしていたと思うのに。結局、思い出は、シーツを盗んで必死こいてテルテル坊主を作って、あげくフクベエに罵られたことだけになった。
 そういえば、フクベエは首吊り坂の噂を知らなかった。サダキヨさえ知っている有名な噂を。興味がなかったのもあるとは思うが、やっぱり仲のよい友達が少なかったのだろう。
 サダキヨがいなくなり、孤独にさいなまれたフクベエは、山根くんと仲直りした。
 山根くんと理科室で談笑していると、お面の少年が現れた。山根くんは「サダキヨ……?」というが、これはカツマタくんだと思う。フクベエがサダキヨっぽく扱ったのは、山根くんに弟のことを知られたくなかったのでは。学年が違うとはいえ、名字が違うのに、自分とそっくりな男子がいるなんて、フクベエ的には耐えられなかったのだろう。たとえ周知の事実だったとしても、離婚のことは隠したかったのだと思われる。
 この後、現れるお面の少年はすべてカツマタくんだ。サダキヨは転校してから、中学までこの町に来たことがないらしきことを言っていたし。
 山根くんが、カツマタくんをどう思っていたかは微妙なところ。サダキヨとの区別はついていたと思うが、これがフクベエの弟とは知らなかったかもしれない。弟と知っていたにしては、カツマタくんへの当たり方が厳しすぎる気がする。何だかよくわからないが、フクベエに金魚の糞みたいに付いて回る変な奴、くらいの認識だったのかも。

〜六年生のとき〜
 フクベエとカツマタは、何だかんだでそこそこ仲のよい兄弟だったと思う。離婚した後もいつも一緒にいるし。カツマタにとってはいくら傲慢でもお兄ちゃんだし、フクベエにとっても、追い払わないことを考えれば可愛い弟だったのだろう(言うこと聞くしね)。
 予知夢の話をしたとき、山根がカツマタに今にも掴み掛りそうなところを、フクベエはさりげなく止めている。予知夢にビビッたのもあっただろうが、やっぱり弟だからいざこざを起こしたくなかったのだろうと思う。
 そして、あの忌まわしき万引き事件が起きる。 このとき、フクベエはすごく微妙な表情でカツマタを見ていた。弟が晒し上げを食らっているのを見て、内心ではかなり動揺していたはずだ。しかし、それを隠したかった。山根に、自分がカツマタを案じているなんて死んでも悟られたくなかった。だからわざとつき放すように、死刑宣告をする。自分とカツマタには縁もゆかりもないんだと言わんばかりに。カツマタが真犯人じゃないことくらい、知っていたと思うのに。
 兄貴にまで見捨てられて、カツマタは本当に絶望しただろう。そして苛烈かつ陰湿なイジメが繰り広げられ、ついには社会的に抹殺されてしまう。
 こんな仕打ちを受ければ、普通はフクベエたちとつるむのをやめると思う。だが、カツマタは彼らと一緒に夜毎理科室で怪しい実験を繰り返していた。ここが、二人が兄弟だと思うところ。「お前は今日で死にました」なんて、かなりキツイ言葉だが、兄弟ならその後の関係継続もあり得ると思う。フクベエにしろ、予知夢の仕返し的なもので、そこまで陰険な(充分陰険だが)意味で言ったわけではないのだろう。この軽はずみな発言のせいでカツマタは社会的に抹殺されるに至るとは、思っていなかったはずだ。
「理科室にカツマタくんの幽霊が現れる」という噂は、山根が流したものだと思う。面白がって流布したのだろう。嫌な子供だ。
 私が思うに、フクベエは超能力は使えなかった。本当に超能力を持っていたのはカツマタくんだった。フクベエは、トリックで超能力を持っているように見せ掛け、また、「スプーン曲げ事件」のような大掛かりなことをするときは、カツマタくんにやらせていたのではないだろうか。
 理科室で首吊り実験 をしたとき、フクベエは仕掛けが外れて死にかけた。それをカツマタくんが助けた。そして山根に真に超能力を持っていたのが誰だったのかがばれてしまう。山根の「『ともだち』はここで生まれた。いや死んだというべきか」という台詞は、フクベエとカツマタ、二人合わせて初めて「ともだち」となり、その関係が浮き彫りとなった出来事だということを意味しているのだろう。
 ドンキーの後を理科室までヒタヒタと付いて行ったのは、恐らく万丈目だろう。そして見たのだ。理科室でのあまりにもシュールな光景を。ここで、フクベエに惚れ込んでタッグを組むことにした。

〜中学時代〜
 フクベエは、たぶん、オッチョと同じく私立中学に入学したんじゃないかな。頭もよさそうだし、金持ちだし。何より、離婚のことやカツマタのことが知られない、まったく新しい環境に移りたかったのでは。中学まで一緒だったら、フクベエのこと、ケンヂたちがもっと覚えていてもいいはずだ。
 万丈目と組んでスプーン曲げをテレビでやろうとする。 イカサマをやろうとしたか、あるいはカツマタを入れ替わろうとでもしたのだろう、失敗してしまう。友達にいじめられるわ嘘つき呼ばわりされるわ、フクベエにとっては屈辱の出来事だっただろう。ここで、後の計画を実行することをフクベエは決意した。
 カツマタは小学校を卒業するまで不登校だった。中学校に入学してからは、社会復帰する。しかし、いじめていた連中も含めて、みんな自分の存在を覚えていない。そのことで深く悩んだ。自分はこの世に必要なのかと。自殺するほど苦しんだ。そりゃそうだろう。バーチャルでのいじめが事実だとすれば、今時にも見ないくらいにひどい仕打ちを受けていた。まったく、ヤン坊マー坊が可愛く見えるほどの悪童たちが山のようにいたもんだ。「またいつもと変わらない日々だ……」というモノローグから考えて、中学でもいじめられていたのかもしれない。
 ケンヂのかけた「20センチュリーボーイ」を聞いて、自殺を思いとどまる。 暗い少年時代を過ごした彼にとって、学校中に鳴り響くロック音楽は衝撃だっただろう。この後、ケンヂに「ともだちになってくれる?」と聞いていることを考えると、実はカツマタには誰かを恨むという気持ちはなかったのではないか。それどころか、ケンヂには羨望の心を持っていた……。
「お前こそ悪の大魔王だ」と、さもそれがすべての理由なのだとでも言うようにケンヂを糾弾するが、本当はそんなことどうでもよかった。ただ、ケンヂと友達になりたかった。それだけだった。万引きのことを引っ張り出したのは、そうでもしないとケンヂに遊ぼうということもできない、とてつもないツンデレだったからだ。フクベエにしろカツマタにしろ、ツンデレが極限を迎えると世界まで滅ぼしてしまうのだ。恐ろしい兄弟だ。

 やがて、フクベエは「最悪の男」から授かった秘術を使い、キリコと恋人関係になることに成功する。カンナが生まれ、自分にも家族が出来た。最初、「フクベエのような嫌な野郎に、自分の娘には手を出さないなんて人情があるんだろうか」と考えていたが、彼の家庭環境を考えると、それもうなずける。ケンヂの姉に興味があったのか、ワクチン製作者が欲しかったからか、それともキリコ自身が好きだったのかはわからない。ただ、フクベエは思った。自分は両親が離婚して寂しい思いをしたから、カンナのことは大切にし、温かい家庭を築こうと。
 なのに、キリコはカンナを連れて失踪してしまう。さぞやショッキングな出来事だっただろう。ちょっと同情する。
 ケンヂに自分の現状を偽るときに、「夫の浮気のせいで家庭が崩壊し、子供が寂しい思いをしている」というシチュエーションを選んだのも、実際の少年時代がそのような状況だったからかもしれない。

 ただ、私は、ケンヂたちの前に現れた大人のフクベエは、実はカツマタくんだったのではないかと思っている。というのも、わざとらしく「20世紀少年」のCDを枕もとに置いていたり、よくロックを聞いていたという描写があったからだ。それに、「ともだち」は忙しいはずだ。ケンヂたちと何ヶ月も地下に篭っているのはさすがにきついような気がする。
 屋上から落ちたのはカツマタ。超能力で死を免れる。
 ロボットに乗ったケンヂの前に現れたのはフクベエ。あそこまで同じ人間が移動するのはかなり厳しいと思うから(まあ、この漫画にそんな常識が通用するとも思えないけど)。
 本物のフクベエがケンヂの登場したのは、このシーンと一番最後に撃ち殺されたシーンだけ、だと私は思う。何かぞっとするね。フクベエだと思って接していた相手が全然違う人間だったとか。

 こう考えると、「ともだち」は極悪人だが、フクベエもカツマタも可哀想だと思う。

 ……と、ここまで書いて、六年の夏は秘密基地がなくなっていたことを思い出した。つまり、カツマタはフクベエの弟説は間違っている……? 私の妄想は何だったんだ。
 フクベエとカツマタが兄弟だというのは間違いないと思う。フクベエの四年生時が再現されているともだち博物館には、子供部屋が二つあったから(漫画本の部屋、お面の部屋)。双子ってことはないはず。ともだちが二人いるとわかった時点で、双子説がケンヂ一派の中で浮上しないと不自然だから双子はないと思ったが、もしかしたら双子なのだろうか。

 もう一つ気になるのは、ともだち博物館で、サダキヨがともだちの部屋だと紹介した部屋と、後の回想でフクベエの使っていた部屋が同じではないことだ。
 ともだち博物館では、子ども部屋らしき部屋が二つ出てくる。一つは教科書や図鑑がある部屋(サダキヨがともだちの部屋と言った)。一つはおめんやおもちゃ、漫画がたくさんある部屋(回想でフクベエが使っていた部屋)。
 これは一体何を意味しているのか……。フクベエの部屋とカツマタくんの部屋ということなのか。
 ならば、サダキヨが指す「ともだち」は実は「カツマタ」。

 ここまですべて私の妄想。事実とは違うだろうし、台詞もうろ覚えなので間違っているかもしれない。
  上げれば切りがないほど不自然な部分がこの漫画は多い。リアルなのにリアリティがないというか……。
 フクベエにカリスマ性があったとはとても思えない。どうしてあんなに頭のよい山根くんがフクベエごときにあそこまで心酔していたのか。しかも、山根はフクベエが嘘つきだと知っていた。それでも、「人間以上」だなんて言って持ち上げている。彼は、超能力いかんに関わらず、フクベエという人間にシンパシーを感じ、慕っていたようだ。
 また、フクベエが死んだら涙を流し、生き返った「ともだち」がフクベエではないと知るや、「ともだち」から離反しようと考えるくらいには、万丈目にも慕われていた。
 ……あのフクベエの、何がそんなに好きだったんだろう(いや、フクベエが嫌いなわけじゃないけど)。
 最悪の男からどんな秘術を授かったのか知らんが、キリコがフクベエの誘いに乗るというのも、どうしても納得がいかない。店を切り盛りしなければいけないと、恋人のプロポーズすら固辞する意志の強い女性が、駆け落ち同然に家を出たりするだろうか。それこそ、店はいったいどうするんだ。その後、結婚したにしろ、していないにしろ、やましい事がないのなら、子供が生まれたら親に連絡の一つくらい入れると思うのだが……。
 それに、恋人が死ぬ直前の時点で、大学がどーのという話をしているのに、その一年後には医者として働いている。いったいいつ、大学に行って医者免許を取ったんだ。それまで酒屋の娘として働いていた人が、どんなに独学でがんばってもワクチンを次々作る天才学者になれるとも思えない。謎過ぎる。
「最悪の男」も、敷島の娘も、2015年の時点ではすごくまともだったのに、三年後には「最悪の男」はキモオタの究極体に、敷島の娘はもはや狂人に……果たして、人間がここまで変化するものだろうか。たったの三年で。娘がともだちの子を身ごもった女性を殺して回っているのも意味不明だし。嫉妬? しかし三年前の時点では、そういうタイプには見えなかった。

 万引き事件のことは、もっと初期に出しておいて欲しかった。
 誰の視点か隠した形で、カツマタくんの身に何があったのかを回想として入れて欲しかった。
 キリコさんに何があったのか、きちんと書いて欲しかった。

 せめてこれだけやってくれていれば、最高だった。
 それでも最後まで読んでしまったのは、構成がうまかったからでしょう。あの引っ張り方。
 諸々のことが全部帳消しになるほど面白かったので満足です(笑)。

 
 どうでもよいけど、フクベエって偏執的だよね。遠足の写真、ケンヂが中心にいる写真ばかり集めて。どうやって入手したのか知らないけどケンヂのお姉さんの写真まで所有している。しかもそれらを一番上の引き出しに入れて、いつでも取り出せるようにしているんだから。まったく、気持ちの悪い子供だ。
 気持ちが悪いといえば、クマノミに気になる女の子の名前を付けたりしている山根くんも気持ち悪いけどね。でも、私は山根くんが一番好きだ……。

 ケンヂたちの小学校はやばすぎると思った。
 お面を付けた子供が何人もいる。
 山根やキリコ、さらにオッチョ、ヤン坊、マー坊といった秀才が多すぎる。
 遠くない未来、ある者はテロリストに、ある者は宗教の教祖として世界の覇者に……。
 いくらなんでもやばすぎるよ。
 本当にカリスマ性があったのは、関口先生だったんじゃないだろうか。

 


 

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