『破裂』
2004年出版(日本)
著作、久坂部羊
父親の死は心臓手術のミスであるという告発文を貰った人妻(中山)、心筋の再生に心血を注ぎ開発した療法が心臓が破裂してしまうという重大な副作用を持つことにショックを受ける医師(香村)、香村の開発した療法の副作用に目をつけ高齢化社会の解決に利用しようとする役人(佐久間)。
医者が一人前になる過程で起こる医療ミスを何とか防げないかと考える麻酔科医(江崎)、医療ミスを絶対に許せず医療現場の闇を暴こうとする元新聞記者(松野)。
それぞれの思惑が交錯していく。
こんなことあるかいなっていう作為的な部分も感じたが面白い作品でした。
佐久間の言っていることは正しい一面があるのだろう。正直、こんなシステムがあったらみんな幸せだよなと思ったりもしました。
けれど、香村先生の、PPPに協力しつつもそこに甘んじずあくまで己の研究を続けようとするところには魅力を感じました。
まあどちらも悪役なのですが。
フィクションのキャラクターは正しい人より人間臭い人のほうが好きだったりします。
主人公含め、誰が正しいとかそういうことの簡単に言えない内容ですね。
※こちらは2010年に書いた感想です。何分、デリケートな題材ですので、大人になった今ですと、読み返すとまた印象が違うかもしれません。
(クロックロの書斎LINEスタンプ)
▲ホームへ戻る
▲クロックロの感想文へ戻る
▲一番上へ戻る |
|
◆目次◆
PR
絵本「その先と」
|