原作者が『十二国記』の作者さんだと知ってびっくりしました。さらにその作家さんの旦那さんが同じく小説家の綾辻行人さんであることにも。
感想ですが、とても見ごたえのある作品でした。
後まで尾を引くような怖さと気持ち悪さがありました。
鑑賞後、漫画読んで一寝入りしてインディペンデンス・デイ観てからぼーっとしててもまだ何かぞわぞわして、翌日までそれが続きました(笑)。
今、感想を書くのに思い出して、再びぞわぞわしています。
非常に面白く完成度の高いホラー映画だと思いました。
たくさんの怪談が出てくるので飽きません。また、まったく無関係だと思っていた冒頭の河童の話がのちにつながったりと、伏線の張り方や構成がうまくて引き込まれました。
複数の怪奇現象が辿っていくと根が同じ――その怨みは深く深くつながり、穢れはどこまでもついて回る。一つのことの原因が一つだけとは限らない。その原因にはさらに原因がある。そして穢れはどこまでも広がる。
「憑いてくる」というのが、尾を引く気持ち悪さにつながっています。
最後にお坊さんがしれっと絵を出してきて、魅入られたように眺めているのもゾッとしました。
「あ、この人、もうアッチ側にいっている」と。
「ない」と嘘をついたのは、主人公たちに穢れをつけないためだったかもしれないし、あるいは自分だけのものにしておきたかったのかもしれないですね。
首吊りの描写の不気味さ、そして赤ん坊の声が聞こえるという高野トシヱの迫真の演技が特によかったです。
実は曰く付きの場所に縁の多い自分ですが、幽霊を見たことはありません。「空のエレベーターが勝手に上下階を動き続ける事件(後に"ここは出る"という話を聞いて納得)」「窓を思い切り叩かれたと思って外を見ても誰もいない事件(ここも"いる"と言われている場所)」は不可思議でしたが。
これからも気を強く持って、おかしなものに憑りつかれないようにしたいです。