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『ダークゾーン』〜永遠に醒めぬ夢〜
2011年出版(日本)
著作、貴志祐介

 主人公は目を覚ますと軍艦島をモチーフとした異空間におり、謎のゲーム「ダークゾーン」に参加させられるという内容。主人公は将棋士の卵で、ダークゾーンも将棋要素のある相手の王将を取りに行くというゲームです。そして駒はすべて生きた人間で、主人公の顔見知りたちです。中には主人公の恋人・理紗もいます。そして駒はすべて通常の人間の姿ではなく、能力に合わせた異形の姿となっています。主人公は「赤の王将」で、駒への指示もすべて行う立場であり、また王将が殺されると負けとなる重要な立場です。
 敵陣もまた、すべて実在する人間で、主人公の知っている人たちです。敵の王将(青の王将)もまた将棋士の卵であり、現実世界では主人公と切磋琢磨する友達でした。
 主人公と敵陣はお互いの命をかけてゲームをするのですが……。


 私の好きな貴志祐介さんの作品です。
 私は将棋は遊びでできるくらいの知識はあるのですが、熱心にやりこんでいるわけではありません。それもあってか、内容のメインとなっているバトルがちょっと退屈だったのが残念でした。異形の姿で戦うのはファンタジー要素もあって想像力をくすぐり楽しいのですが、さすがに、七回勝負は……な、長い。途中、だれてなかなか読むのが進まず、読了するまで一年以上かかりました。
 途中に、ダークゾーンに陥る前の主人公の記憶が断片的に入り、そこには「謎」があります。その「謎」の回答が知りたいがために読み続けましたが、中盤は義務のような気持ちで面白く読むことができませんでした。
 終盤で過去の記憶も、バトルも佳境に入ってやっと面白くなってきたのですが、そこまでがとにかく長かったです。バトルも後半からやっと楽しめるようになった感じでした。

 最終的には、主人公の過去も、ダークゾーンの正体も明かされるのですが……。正直、「これだけ読んで、このオチ?」という拍子抜けした気持ちのほうが強かったです。
 すごく切なくなる話でそこだけ切り取ればよかったのですが、この壮大なバトルの結末としては、ちょっと物足りないところがありました。
 三回勝負で、短編〜中編でまとめたほうが長さとオチがつりあっていてよかったのではと思います。

 ただ、今日に至るまで数多くの有名作を発表してきた貴志祐介さんと考えれば、こういうオチをつけることは、ある意味、「よく思い切ったな」という感じもします。


 また、軍艦島は一度行ってみたいと思う場所だったので、読んでいてとてもわくわくしました。
 文章だけでさまざまなことをリアルに想像させてくれるのは貴志祐介さんのすごいところであり、好きなところです。
 また、オチは弱いとは思ったものの、主人公の気持ちが痛いほど伝わりました。

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