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クロックロの日記 


『しあわせソウのオコジョさん』を見て
2001年放送(日本)
監督、山本裕介 原作、宇野亜由美
しあわせソウのオコジョさん イメージ画
イメージ画

 しあわせ荘に住む大学生、槌谷揺がひょんなことからオコジョという珍しい野生動物と暮らすことになるギャグアニメ。


※ネタばれあり



 私の大好きなアニメです。一番といってもいいくらいに好きです。
 夕方放送の、子供向け動物アニメとして作られたようですが……中身はそんな生易しいものではありません(笑)。
 ハム太郎のようなほんわかアニメを期待していたら、度肝を抜かれること間違いありません。

 かわいらしい動物、毒々しいギャグ、ところどころ入る特撮のパロディ。
 もう少し少女漫画臭が抜けていれば、まさしく完璧な私のためにあるようなアニメでした。

 私は大好きなのですが、ネットでレビューを見てみると、好き嫌いがかなり別れる作品だったみたいです。
 視聴率も当時はあまりよくなかった模様。
 でもそれもよくわかります。かなりブラックだったりきわどかったりしますからね(笑)。
 佐伯兄妹の虐待行為は引いた人が多く、あれで見るのをやめようと思った人も多いみたいですが、私はあえてあそこまでやってのける、そこにしびれる憧れる! という感じでした。

 現在、深夜枠で放送したらかなり受けるんじゃないかとも思ったのですが、あれはむしろ夕方に子供向けとして作ったからこそあの面白さなのかなという感じもします。
 子供向けアニメの限界に挑戦するかのような作風はあっぱれです。

 深夜アニメは、面白いけれど、あざといところを開き直りすぎているのが嫌なのです。
 わかってない、わかってないぞ!! 開き直ったら、ダメなんだ!!
 (もちろんそうではない作品もありますが)

 2001年の作品なので、コギャルだとか日射病だとかゆとり教育だとか、今聞くと懐かしい単語が出てきます。

 キャラクターはそれぞれ個性的でとても面白いです。
 みんな変人なのですが、不思議と憎めません。

 主人公のオコジョさんはとっても可愛い。
 うちのカンちゃん に強気な性格がそっくり(笑)。
 原作者・アニメスタッフは動物のことをよく見ていると思います。
 可愛いだけではなく男気もあって格好いいのです。

 肉食獣のオコジョさんの子分が、スナネズミのチョロリというのも面白いです。

 オコジョさんとチョロリがコタツでごーろごーろする回は本当にかわいすぎです。

 私はハムスターを以前に飼っていたのですが、チョロリの動きはよく研究されているなーと思いました(チョロリはスナネズミですが)。


 オコジョさんの飼い主、槌谷揺(つちやはるか)はイケメンコミュ障。彼がいいキャラしています。無口で何を考えているか分からないが、園芸が趣味だったり、ホラー・SF映画が好きだったりとさりげなく人格をうかがわせる演出があります。
 「コジョピー、パラダイスへ」で、深夜見ていた映画の内容が個人的にツボでした。木かよ! みたいな。
 佐伯やゆうたくんのためでしょうが、いつも鍵を開けっ放しにしている様子。不用心だぞ。
 あと彼、服装がとにかくダサいです。服装というか、リュックサックがダサすぎます。十年前の作品であることを、考慮しても。演出なのか、何なのか……(笑)。
 槌谷の性格がさりげなく出ているようで個人的にはグッドです。
 イケメンだけれど作中で誰かとひっつくということもなく、あくまで人間関係がドライなところがこの作品はよかったです。
 槌谷を好きな女の子はでてきますが、空回りの連続という……(笑)。
 イケメンなうえ彼女まで出来たらリア充爆発しろですからね!

 しかし、この男、容赦なくオコジョさんをたたき落とす(笑)。こ、こいつDVの気があるぞ……!
 この勢いでもっと佐伯にも厳しく当たるべき←

 それから佐伯兄妹。
 やつらは本当に狂っています。
 先にも書いたように、初登場時は、二人でオコジョさんに対する虐待まがいの行動をし、最終的には死んだふりをしたオコジョさんを埋めてしまうのです。
 この話のタイトルも、「オコジョの墓」 という目を疑うようなもの。
 子供向けアニメでこれはいいのか!? むしろ地上波で流していいのか!? というレベルですが、その思い切ったブラック具合に惚れました。
 あの話がなければ、もっと印象の薄い作品になっていたに違いありません。
 その後は佐伯兄妹もおとなしくなった気がするので、やはりクレームがあったのかもしれません。

「お兄ちゃんっていっつもそう、何かあったら全部ともこのせいにして!」
「ともここそ、すぐにお兄ちゃんのせいにして!」

 う〜ん、リアルだ……(笑)。

 それにしてもなぜ、この兄妹は二人暮らしなのか(原作では家族で暮らしているようですが)?
 妹が大学生なら、親元を離れて……というのもわかるのですが、高校生と考えると、何か事情がありそうな。
 あの二人の笑顔には何か深い闇を感じずにはいられません……『るろうに剣心』の宗次郎のように何かのきっかけでブチ切れるんじゃないかという不安に駆られます(笑)。

「ともこ〜、モテたい、モテたいよ〜! 大スターのエンジョウジダイサクくんみたいに、ギャルをひき連れて街を練り歩きたいよ〜!」
「あのねお兄ちゃん、人には分というものがあって、できることとできないことがあるんだよ」 
「やだやだやだ、モテたいよ〜。せめて槌谷くんくらいにはモテたいよ〜(略)同じ大学で同じしあわせ荘に住んでいるのに、不公平だよ〜」

 まさに、人間のクズ(笑)。

 佐伯妹の、天気予報を見て大笑いしているところには、狂気を感じます……。

 それから、同じアパートの少年、ゆうたくん。
 数少ない常識人なのですが、それが余計にギャグを際立たせていたりします。
 ゆうたくんのお母さんは美人でやさしくて理想のお母さんという感じです。
 一見、理想的な家庭に見えますが、よく見ていると、この家庭にも暗い影を感じます……。
 まず、お父さんの姿がまったく見えない。
 お母さんはパート(これはいまどき珍しくないけれど)。いつも槌谷に勉強を見てもらっているあたり、お母さんはあまり家にいないのでは。
 月に一回の外食や、お花見が贅沢。
 それから、後述する「オコジョ番長編」での、ゆうたくんのつぎはぎだらけの服……。
 かなり貧乏しているのは間違いなさそうです。


 るるとるかの双子の姉妹は、いろいろと怖いです。
 私的に、猫があの二人におびえてふしゃーっと怒るシーンが好きです。
 あれは人間でも怖い(笑)。

 塚原映日(つかはら あきひ)は、オコジョさんかかりつけの獣医師。
 一言でいえば変態。 オコジョさんが大好きで恋をしている状態。
 この変態っぷりは圧倒的にアウトだよ!!
(……と、思ったが、カンちゃんTシャツやらカンちゃんボールペンやら作っている自分も客観的には同じレベルなのだと気づき動揺を隠せない)
 塚原先生を見ていても思うが、なぜ医者のキャラクターというのは変態が多いのか……医療職に対する何かものすごい偏見を感じずにはいられません(笑)。

 仁科学。
 何といってもメカオコジョ! オコジョVSメカオコジョ!
 メカオコジョの逆襲の時の演出は、元ネタを忠実に再現しています。
 原作者かアニメスタッフがかなりゴジラ愛があるのではないかと……。
 自分はゴジラが大好きなのでかなり嬉しかったです。

 長谷川。
 女装した槌谷(&槌谷の姉)に惚れてしまい苦悩する高校生。
 見ていた当時はBLという言葉も知らなかったので、普通にギャグとして見ていましたが、今思うとかなりギリギリなキャラクターだろう……(笑)。
 まあガチホモォ……ではないので、子供でも男でも腐女子以外でも抵抗はなく見られると思う(自分は抵抗なかった)。
 個人的には、長谷川とお姉さんはうまくいってほしい(笑)。

 森下繭美。
 槌谷のことが好きな女の子。可愛いです。
 こういうキャラが出てくることで、話が恋愛ものっぽくなってくると面白くないんですが、あくまで真摯にギャグやってくれたので面白かったです。
 限りなく膨らむ、思春期の妄想。
 しかし、繭美は中学生、槌谷は大学生(二十歳以上)。うまくいったら犯罪だろう(笑)。

 隣の漫画家。
 病んでいます(笑)。

 きつねのおやっさん。
 キツネとは思えぬ渋さ。作中で最も格好よいのでは……。

 オコジョさんは本編も面白いのですが、オコジョ番長編もかなり面白いです。
 人間と動物が一緒に学ぶ学校が舞台。本編以上にシュールです。

 「さっそく診断書を偽装しよう」とかさらっと言っちゃう佐伯先生が黒い(笑)。

 それからゆうたくんのお母さんがやたらとあざといです(笑)。
 セーラー服、体操服にブルマ、果てはスクール水着……!
 これはどんな層へのアプローチなのか!?

 「何して遊ぶ?」「ちやほやして遊ぼう」「ちーやほーや」の流れは本当にシュールです。
 シュールなギャグに、ナレーション以外のつっこみが一切入らずに流されていくところがさらにシュールです。
 このシュールづくしがオコジョさんの魅力。

 そして「ゆうたくんのお母さん!」の衝撃は忘れられません。
 ゆうたくんが、ゆうたくんのお母さんって……。
 これもまた聞き逃しそうなほどさらっと流れていくという。

 臨海学校の話では槌谷の園芸好きが生かされていてナイス。

 股裂きの刑は、もはや狂っているとしか言いようがない……。

 

 それから、このアニメは作画と動きがやたらといいです。
 いや、手抜きっちゃあ手抜きな感じなのですが、それでも迫力抜群です。
 どうでもいいがタッチンの色がオープニング・対戦のところで本編と違います。おそらく途中でキャラクターデザインを変えたのでしょうが……それをそのまま悪びれもせず使っているところがいっそすがすがしいです(笑)。

 お恥ずかしい話、このアニメ見た当初、オコジョというのは架空の生物だと思っていました。
 だから後半のOPで、実写のオコジョの映像が流れた時はびっくりしました。こいつ実際にいたのかと。

 ただ最初のOP/EDのほうが私は好きでしたね。
 オープニングはアニメーションがとにかく可愛いのと、歌が好きです。
 年下か同い年かの男の子のことを歌った歌なのかなと。
 エンディングはまた、かなり男らしいテイストで格好よいです。明日について男について語りあかそうぜ♪


 最後に、このアニメの一番の魅力は、ナレーションかと思います。
 あの淡々としたナレーションはアニメならではの演出ですね。
 あれがあるのとないのとで、全然違う! と思うくらいにグッドです。

 とにかく面白いので、世の中のいろいろな人にお薦めしたい作品です。
 原作が少女漫画なので、絵柄がちょっと少女漫画っぽいところもあるのですが、それを気にしなければ男性でも楽しめると思います。


 
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