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『図書館戦争』〜あくまで自由を守る〜
2013年公開(日本)
監督、佐藤信介 脚本、野木亜紀子 原作、有川浩 主演、岡田准一・榮倉奈々

 舞台は正化31年(2019年)の架空現代日本。1988年に「メディア良化法」という法律が制定される。これは公序良俗を乱し人権を侵害する表現を規制する法律で、実質上の検閲を認めるものだった。
 メディア良化隊のやりすぎた弾圧行為から読書の自由を守るために組織された組織図書隊。
 かつて自分と自分の好きな本を検閲から守ってくれた「王子さま」を追いかけて、主人公は図書隊に入隊した……。


 ちょうど、少し前にアニメ版を見ていたので、実写映画が気になった。
 ちなみに原作の小説は読んでいない。
 だから個人的には「アニメの実写版」というような気持ちだった。

 感想としては面白かった!

 個人的には二時間にまとまっている分、アニメより冗長ではなくなっていた。
 大事なエピソードはほぼ同じ(親のことはなかったが、尺の都合上仕方がないだろう)なので、原作にもかなり忠実に作っているのかなと。

 役者もアリだった。



「恋愛要素が邪魔・しつこい」
「話が軽い」
「リアリティがない」
「せっかくの社会派のテーマが活かされていない」
 といった批判を見たしどれももっともな指摘なんだけど、自分はこれはこれでよいと思った。

「実質的検閲のある社会で表現の自由を守るために戦う」という、お堅いかつ一般的ではないテーマ。
 これを前面に出してやったら、人を選ぶし説教臭くなる。
 言ってしまえば、「良化隊VS図書隊(表現規制派VS表現の自由派)」という設定だけでお腹いっぱいですという感じ。

 あくまでエンタメだし、割合としてはラブコメ>シリアスで正解だろう。  

 作中でも「こんな事態を生んだのは人々の無関心が原因」というようなことを言っていた。
 そういう意味でも表現の自由云々に興味のない層に見てもらえることが大事な作品だと思う。

 たしかに恋愛描写はちょっとしつこかったけど、アニメを先に見ていたので、あざとい描写もあまり気にならなかった(笑)。
 基本的に、アニメやラノベは実写ドラマよりもキャラクターやせりふ回しが極端なものだと思っているので。

 あくまでラブコメ、そしてアクションあり、わかりやすい話、けれど社会派のテーマ、ということで年齢性別関係なく見に行ける作品だと思う。


 図書隊はかなり自衛隊を意識しているなーと思った。

 原作者の有川浩は、「塩の街」など自衛隊関係の小説も複数書いているんで、何かゆかりや思い入れがあるのかもしれない。

「図書隊は一発目の銃弾は甘んじて受け、防衛に徹する」
「どうして」
「守るために戦うのが図書隊だからだ」
(台詞はうろ覚え)


 こういうスタンスはまさしく自衛隊的だと思った。

 守るために戦う。日本国を守る盾であって剣にはならない。

 最近(2013年)は憲法を改正して「自衛隊を国防軍に」という動きもあるが、名称が変わったとしても自衛隊には守るための組織であってほしい。

 話を図書館戦争に戻そう。

 映画の冒頭で、このような言葉が出てくる。

 図書館の自由に関する宣言
 第1 図書館は資料収集の自由を有する
 第2 図書館は資料提供の自由を有する
 第3 図書館は利用者の秘密を守る
 第4 図書館はすべての検閲に反対する
 図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

 物語ではこれが図書館法の一部となっていて、それを根拠に良化隊の検閲と戦う。

 単純に「格好ええ宣言だなあ」と思っていたが、観賞後、この宣言自体は実際にあるものだと知り驚いた。

 もちろん法律ではないんだけども、図書館の宣言として存在し、どこの図書館でも掲げられているとか。

 非常に頼もしいね。

 昔は日本でも検閲は現実にあったし、第二次世界大戦でのナチスドイツでは思想弾圧として焚書が行われた。
 今ある思想の自由、言論の自由、表現の自由は決して簡単に手に入ったものじゃない。

 それがどれほど尊いものであり、未来にわたり意識を持って守り続ける必要があるか。

 そういうことを考えるきっかけになる作品だった。

 ただ不満もある。

 それは映画だけでなくアニメのときから思っていたが、良化隊の信念がわからない。
「公序良俗を乱し人権を侵害する表現を規制するため」という法律的な名目はあるが、それを裏付けする思想が描かれていない。
 図書隊と良化隊の戦いはかなり激しいものなうえ、良化隊側は殺すつもりでかかってくる。
そこまでする理由が、単に利権がらみだとか仕事だからというのでは説得力が弱く感じる。
良化法に賛同するテロ団体も出てくるが、単に頭おかしいだけというような描き方……。
 どういう理由で良化隊側がそこまでするのか、知りたい。

 一方的に良化隊が悪いようにしか描かれていないので、逆に図書隊の説得力が弱くなってしまっている気がする。

 本が大切なのは、そこにいろんな価値観や考えがつまっているからで、本を守るって言うのは、思想を守るっていうこと。

 良化隊のすることもそんな思想の一つには違いないわけで、だからこそ、「純然たる悪」ではなく「立場の違う正義」として描いてほしかった。


 原作小説は読んでいないので何とも言えないが、少なくともアニメや実写映画から、良化隊側の信念は感じられなかったのが残念。

 最初に書いたように、本作はあくまでラブコメであって、思想の対立なんて前面に出す必要はないと思うが、少しでも良化隊側の心に触れてほしかったな。

 ただ、映画の良化隊隊長は、いいキャラだった。抑揚のないしゃべりで粛々と事を進めるところに、良化隊の信念はわからなくとも、プロフェッショナルとしての矜持を感じてとてもよかった。



 最後に一つ、台詞を引用したい。

正論は正しい、だが正論を武器にする奴は正しくない。


 自戒にしよう(笑)。




 公式サイト→http://www.toshokan-sensou-movie.com/index.html 



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