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『星の王子さま』〜答えを探す旅〜
1943年出版(アメリカ)
著作、サン= テグジュペリ 訳、内藤濯

 沙漠に不時着した主人公は、不思議な少年と出会う。「王子さま(少年)」は、小さな星で一輪の花と暮らしていたが、いざこざがあって星を離れたのだった。王子さまと主人公は話をするうちに絆を結んでいく……。


※ネタバレあり


 サン=テグジュペリの名作『星の王子さま』。  
 先日、舞台版を見たので、改めて原作を読み返しました。
 舞台のほうの感想とも重複ところもありますので、そういうところは省いています。
 以前に読んだのは子どもの頃だったので、内容は深いところまで心に響かなかったように思います。
 ただゾウを飲み込んだうわばみや、バオバブの木のイラストが記憶に強く残っていました。
 今回、読み返してみて、表面的なロマンチシズムだけでなく、そこに描かれた哲学を感じました。すべてが理解できたわけではないですが……。
 服装によって主張の受け入られ方が変わったりなど、いろいろな皮肉が入っており面白かったです。
 地球に行く前に、王子さまはいろいろな星を転々としてきます。その途中で、命令する相手のほしくてたまらない王様の星に行きますが、その王様がこう言います。
「道理の土台あっての権力じゃ」
 これは個人的に名言だと思いました。
 王子様には「大人って変だなあ」と言われていましたが、気のいい王様だと思います。

「ある花といざこざがあって」星を出ていく決心をした王子さまですが、花をずっと大切に思っているのが伝わってきます。
「花は弱いんだ。無邪気なんだ」と、色めきだって怒ったり泣いたりするほど。
「ぼくは、あんまり小さかったから、あの花を愛するってことがわからなかったんだ」と、王子さまは言っていましたが、花の気持ちがわからないようで、よくわかっていたのでしょう。
 いえ、旅をしたことで、いろいろなことを学んだから、なのかもしれません。

 文章で好きなのは、花が咲くまでの表現です。
「花はなかなかのおしゃれだったのです」で終わるまでの流れが好きです。

 物語は最後、王子さまが星に帰ったのか、死んでしまったのか、はたまた飛行士の妄想だったのか、わからない書き方です。
 王子様は大切なことを学んだけれど、花とはやり直せなかったということなのか……。
 それとも星に帰れたのか……。
 真相はわかりません。

 たしかなのは、この小さな王子さまに会うことによって、主人公の飛行士は、失われかけていた「子ども」の心を取り戻すことができたのです。
 それは読んでいる自分も同じでした。

 なぜ、最後、普通に星に帰らずに蛇にかまれるという最期にしたのか。
 その答えを探すことが今後の人生の課題となりそうです。

 そして、いま、こうして目の前に見ているのは、一人の人間の外がわだけだ、一番たいせつなものは、目に見えないのだ……と思っていました。(引用)

 

 

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